Kise Labolatory 本文へジャンプ
About SimCell

SimCell Functional Simulator

高性能かつ低消費電力のプロセッサとして,チップに複数のプロセッサコアを集積してスループットの向上やスレッドレベルの並列性を利用するチップマルチプロセッサが注目されています.例えば,情報家電などの組み込みシステムの分野において,複雑な処理を実現しながら消費電力を抑えるためにチップマルチプロセッサが利用されています.また,高い性能を必要とするサーバやデスクトップといった領域においても,チップマルチプロセッサが主流になりつつあります.

チップ・マルチプロセッサ研究のインフラストラクチャとして,Cell Broadband EngineをモデルとしたプロセッサシミュレータSimCellの開発をおこなっています.

現在公開している版のシミュレータは,インフラストラクチャの中心的な役割を果たす機能レベルシミュレータ(Functional Simulator)です.機能レベルシミュレータとは,1 サイクルで1 命令が処理されるという簡素化されたプロセッサコアの実行モデルを採用するシミュレータのことを指します.プロセッサコアのパイプライン構成やキャッシュ,分岐予測などの影響を反映することはできなませんが,実行命令の分布,メモリアクセスパターン,通信の様子といった基礎データを把握するための有益なツールとなります.また,詳細なアーキテクチャ評価をおこなうための複雑なシミュレータのベースとして利用できます.


SimCell Design

SimCellの設計においては,オブジェクト指向の概念を積極的に取り入れて開発をおこなっています.また,実用的かつコードのシンプルさを最優先にコーディングをおこなっており,Cell/B.E.のシミュレータとしては世界最小・シンプルなものとなっています.

現在のSimCellでは,複数のSPE(Synergistic Processor Element),メインメモリ,ネットワークから構成されるホモジニアスなチップマルチプロセッサとして動作するモード(MultiSPEモード)を提供します.


SimCell History and Acknowledgement


SimCellの初期の版は佐々木豊さんによって開発されました.多くのSPEの修正は田原慎也さんによっておこなわれました.デバッグや機能追加の多くは佐藤真平さん,藤枝直輝さんによっておこなわれました.また,この2人が2008年3月時点における主な開発者です.その他,東京工業大学 吉瀬研究室の皆さんの多くの努力により開発がおこなわれています.

     Copyright(c) 2008 Kise Laboratory. All rights reserved.