HOKKE2001報告

2001年3月13日 電気通信大学大学院 吉瀬謙二

 

2001年3月8日と9日に、函館未来大学でおこなわれたARC,HPCによるHOKKE-2001(第8回)に参加した。「システムLSIとアーキテクチャ」「並列化手法」「メモリアクセス最適化」「コンパイラ」「クラスタと性能評価」「分散共有メモリ」という6つのセッションから構成され、全体の発表件数は32件であった。これらの中から興味深かった幾つかの発表を紹介する。

 

BISC(Bus Instruction Set Computer)型プロセッサBISC-2東工大

BISCを採用した新しいプロセッサBISC−2の提案。30MHzで動作しているが、クリティカルパスは命令フェッチ時の依存解析にあるということだった。

 

「チップマルチプロセッサにおけるキャッシュ-メインメモリ間動的データ圧縮の評価」東大

IBMが取り組んでいるメインメモリの容量の増大ではなく、チップと外部とのバス幅の削減を目指した研究。ひまなPEにデータ圧縮をやらせる。

 

「スーパースケーラのための高速な動的命令スケジューリング方式」京大

Dependence Matrix Tableを利用して、スーパースケーラの wakeup ロジックの複雑さを軽減する。これにより、従来設計の68%に遅延を削減。

 

CRAY-T3E/1200EにおけるNAS Parallel Benchmark北陸先端

CRAY-T3Eから、CRAY-T3E/1200Eへのバージョンアップの際におこなった性能評価の報告。

 

DSMシステムにおける投機的コヒーレンス制御機構の提案と評価」宇都宮大

新しい投機的コヒーレンス制御機構の提案。最大で約2倍の性能向上の可能性。

 

「マクロデータフロープリプロセッサの実装」慶応義塾大学

 

「マルチスレッドプロセッサにおけるメモリアクセスレイテンシ隠蔽の一手法」九大